すべてが始まった瞬間――「聴くこと」という最初の静かな真実

すべてが始まった瞬間――「聴くこと」という最初の静かな真実

『Tracks & Tales』の真の起源――スピリットランドでのあの夜、真に耳を傾けることが、人生を変えるような、ただ「そこに在る」というシンプルな行為であることを実感した瞬間。

ラフィ・マーサー

『Tracks & Tales』に名前も、地図も、ましてや一文すらなかったはるか昔、ある瞬間、私は「聴くこと」――真に「聴く」こと――が、それ自体が一種の明快さであることを悟った。当時はそれを表現する言葉を持っていなかった。ただその感覚だけを知っていた。音が人をその場に釘付けにする感覚、レコードが流れ始めると部屋が暗くなるような感覚、そして、音楽を聴きながら他のことをしようとするのをやめたとき、音楽が一種の鏡となる感覚。

実のところ、これは何年も前から始まっていた。かすかな引き寄せ。予感。その音が、私たちが思っていた以上に重要な意味を持っているという、ささやかな直感。しかし、生活は騒がしくなり、その直感は慌ただしさの下に埋もれていく。

ある晩のこと――劇的な出来事でもなければ、計画していたわけでもなかったが――私はロンドンのスピリットランドに足を踏み入れていた。あの部屋には、体から雑音を消し去ってくれるような力がある。まず低音の重みが感じられ、次に、手を伸ばせば触れられそうなほど身近に感じられる歌声の温もりが伝わってきた。突然、仕事のことや締め切り、待っているメールのことなど、一切考えられなくなった。ただ……そこにいた。音の中に。注意を向け続けるという、穏やかな規律に身を委ねていた。

それはハイファイの話でも、機材の話でもなかった。それは私の中で起きた変化――「聴く」ということは決して受動的な行為ではない、という気づきだった。それは「参加」であり、「在ること」であり、その瞬間をただ流し読みするのではなく、意識を研ぎ澄ませて向き合うことを選ぶことなのだ。あの夜、私にビジネスアイデアが浮かんだわけではない。しかし、無視できない真実を突きつけられた。それは、真に耳を傾けるとき、人生は再び深みを取り戻す、ということだった。

『Tracks & Tales』は、そのひっそりとした気づきから生まれました。「たとえほんの数人であっても、バーで、自宅で、あるいはすでに持っているレコードを通じて、その同じ入り口を見つけられる手助けができれば、何か意味のあることが始まるかもしれない」という考えです。音に、ほんの少しだけ自分を変えてもらうという、そのシンプルな行為への回帰です。

それ以来、毎日、Tracks and Tales 、その最初の閃きを称える試みTracks and Tales 。たった一つの部屋、一枚のレコード、そして世界が騒がしくなかったあの頃、自分がどんな人間だったかを思い出させてくれた、その一瞬の集中。


ラフィ・マーサーは、音楽が重要な役割を果たす場所について執筆しています。
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