ハンス・ジマー – 『インターステラー』(オリジナル・サウンドトラック) (2014)
ジマーによる『インターステラー』のサウンドトラックは、時間、スケール、そして宇宙の静かな鼓動について、広大かつ忍耐強く思索を巡らせた作品であり、オルガン、沈黙、そして重力の重みが、私たちの聴き方を一新させる作品である。
ラフィ・マーサー
音楽の中には、単に部屋を満たすだけでなく、その物理的性質さえも変えてしまうものがある。ハンス・ジマーが『インターステラー』のために手掛けたサウンドトラックは、まさにその稀有なカテゴリーに属する――単なる伴奏としてではなく、「環境」そのものとして設計されたアルバムだ。それは、聴く者が足を踏み入れることのできる「音の世界」である。 オルガンの共鳴、宙に浮くような弦の音、そして無限の息吹を思わせる感覚を基盤に築かれた、音色と圧力の構造。静けさを求めて朝を迎える私たちにとって、これは一日のリセットを可能にしてくれる作品の一つだ。ゆっくりと、広く、そして正直に考えるよう誘ってくれる。
最初に気づくのはメロディーではなく、音階だ。『インターステラー』の冒頭は、まるで大聖堂の内部のような雰囲気で始まる――宗教的なものではなく、建築的な大聖堂だ。ロンドンのテンプル教会で録音されたオルガンの音色は、単なる楽器以上のものとなる。それは引力そのものだ。音符が「届く」のではなく、地平線のように現れ、外へと放射状に広がっていく。ジマーはこの響きを映画の感情的な枠組みとして用いているが、単独のアルバムとして聴くと、それは独自の哲学となる。大げさな演出を排した畏敬の念、エゴを排した壮大さだ。

「Dreaming of the Crash」が本作の基調を決定づける――最初は儚く、やがて地平線まで広がるような広がりを見せる。 まるで息をほんの少し長く止めすぎたかのように、宙に浮いたような感覚を与える音楽だ。そして「Cornfield Chase」が、躍動感あふれる希望を携えて登場する。高まる鼓動、静かに湧き上がる決意。良質なオーディオシステムで聴けば、細部が鮮やかに浮かび上がる。柔らかな機械のカチカチという音、弦の周囲の空気感、ミックスに織り込まれた距離感。ジマーは「引き算」によって世界を構築している。音と音の間の空間は、音そのものと同じくらい重要なのだ。
「Stay」にたどり着く頃には、この楽曲が織りなす感情の構造がはっきりと見えてくる。これは、越えられない距離を越えて紡がれる「つながり」を描いた楽曲だ。オルガンは記憶のように低音域を支え、弦楽器は切なさを運び、シンセサイザーのテクスチャーは、言葉では言い表せないほど広大な何かのきらめきを生み出す。音量を上げれば、この曲は身体的な存在感を帯び、部屋全体をゆっくりと包み込む潮の引くような引力となる。音量を下げれば、それは純粋な雰囲気へと変わり、意識の端々で感じるようなものになる。
「Mountains」は、絶え間なく刻まれるカチカチというモチーフが特徴で、このサウンドトラックにおいて「プレッシャー」を最も純粋に体現した楽曲の一つだ。 カチカチという音の一つひとつが時間の短縮を意味し、空間よりも秒単位の時間が重要であることを思い起こさせる。これはバーで聴くのに最適な一曲だ。ミニマルで、緊張感があり、催眠的な魅力に満ちている。続いて『No Time for Caution』がオルガンの音色に導かれた切迫感とともに流れ出す――ドッキングのシーケンスが、まるで宇宙的な儀式のように表現されている。ハイエンドのスピーカーで聴くと、倍音が部屋の中で花開くのが感じられる。その効果はほとんど建築的であり、壁が広がるかのように感じられる。
『インターステラー』を非凡なものにしているのは、その壮大さと親密さが絶妙に融合している点だ。音量を最大にすると、まるで回転する惑星の内部に立っているかのような感覚に包まれる。音量を下げると、それは静かな告白のようにも感じられる――宇宙の巨大な仕組みのなかに響く、人間の鼓動のように。ここでジマーが発揮した天才性は、大げさな演出ではなく、抑制にある。すべてのクレッシェンドは必然であり、すべての沈黙には重みがある。
聴くためのアルバムとして、これは驚くべき作品だ。身体に響くような重低音でありながら、決して押し付けがましくない。ガラスの上に差し込む光のようにきらめく高音。霧が晴れていくかのように、ゆっくりと広がっていく中音域の質感。このレコードは、忍耐と適切な音量、そして音が息づく余地のある空間があればあるほど、その真価を発揮する。たとえたった1時間であっても、聴く者をその場に釘付けにし、注意を払うこと自体が旅の一形態であることを思い出させてくれる。
映画のサウンドトラックとなるアルバムもある。しかし、このアルバムは「人間の生き様」そのものを描いている。距離を超えて広がる希望、時間で測られる愛、そして、すべてが絶望的に思える状況でも前進し続ける静かな勇気――。
朝――特に、頭の中がすっきりしないような朝には――『インターステラー』は単なるサウンドトラックというより、むしろ良き相棒のような存在だ。音の聖堂。広大さにも優しさがあることを思い出させてくれる。
ラフィ・マーサーは、音楽が重要な役割を果たす場所について執筆しています。
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